ボタンが取れて
打ち砕かれて
帰りの道が
分からない
クラクションの合図で
終わりと始まりが入れ替わる
霧雨に濡れて立つ
欅(けやき)の木々と電波塔
信号が赤になり
どこかで犬の吠える声がする
俺やら君やら路傍の影は
右から左の毎日を右から左と抜けながら
キリキリ舞ったり転げたり
理由無く輝く俺達
理由無く沸き立つ俺達
何もかも手に入れて
何もかもが灰になる
訪れる端から
火を付けて燃やし風に返す
俺やら君やら路傍の影は
変幻自在の風来坊
荒唐無稽(こうとうむけい)の激情に
キリキリ舞ったり転げたり
理由無く撃ち抜く俺達
理由無く羽搏く俺達