珈琲をはさんで 男と女
陽気なラブ・ソングが流れてる
ライターの音 煙を吐く息
ふっと落とした 女の溜息
見つめる手元 さめかけた珈琲非
さめてしまった ふたりの心
ガラスごしの街は 午後の陽ざかり・・・・・・
珈琲非に砂糖を ようやく入れて
女はいつまでも かきまぜる
恋を失くして 泣いてた女と
それを優しく 慰めた男
よくある話 あの夜が始まり
季節はいくつ 巡っただろう
ガラスごしの街に 揺れる陽炎
さめてる珈琲 溶けない砂糖
スプーンの音だけが ただうつろ
さめてしまった 二人の愛には
どんな言葉も 溶けてはくれない
立ち去る女 淋しげな肩先
見送る男 にがめの珈琲非
ガラスごしの街が 不意にぼやける